家族の歴史
今日は、朝からオンラインで家族療法学会会員のための基礎講座「バイオサイコソーシャルアプローチ」の講義を10時から16時までやっていた。東大出身の日本家族看護学会理事・前会長の上別府先生と一緒にやっている。もう10年近くなると思う。
医療的アプローチは症状だけではなく、人、家族、地域も考えていこうというアプローチで、米国で私が研修したメディカルファミリーセラピーの基礎理論になっている。
私は、祖父の認知症で介護家族を経験していたこともあり、40代で介護家族の研究で学位をとり、北欧からも招聘された、実際は国際情勢が悪化して行けなかった・・・。
健大に招聘された2005年が人生のピーク(マスコミ受けという点ではだが)であった。金スマに何度も出演、すべての民放に出演、介護者の心のケアの専門家みたいなラベリングをもらい、NHKの朝番組で小山明子さん(大島渚監督の妻)と20分の生対談みたいなこともやっていた。 信じられない勢いである。
土曜日の群馬の認知症に人と家族の会で、代表から過去を紹介されて思い出したこともある。
今日のオンライン基礎講座は参加者は少なかったが、勉強になったこともある。
それは過去の伝承である。
ある参加者は大学時代のゼミで、祖父母に生まれ育ちを聞いてくると課題をもらって、祖父母の世界を知ったと言っていた。
私は後悔をしている。亡くなった祖父母や母の人生を聞けなかったことだ。
自分の立場では言えないが、学校からの課題ならば聞けたと思う。
過去を伝承するために、全ての中学生か高校生(このくらいがいい)は、祖父母の人生を聞いてまとめるという課題をやればいいのではないかと・・。もちろん、無理ならば聞かない。無理というところに意味があるからだ。
親の歴史は聞きづらいが、祖父母ならよいであろう。
宇多田ヒカルの曲を聴く度に、私は「母の人生や苦労を聞くべきだった」と後悔する。
生きているうちに伝えておきたいことは誰もがあるはずだ。
「あなたに聞きたいことがいっぱい、溢れて、溢れて・・・」
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