精神分析学会への出席
恩師が亡くなり、気持ちが離れていて、3年くらいサボっていた日本精神分析学会出席のために名古屋に来ている。
もう私など知っている人は来ないと思って、マスクをして行こうと思ったくらい緊張していたが、会場に行くと、昔に教えていた学生、大学病院時代の後輩と先輩、そして、学部は違うが、互いに精神分析を研鑽している同窓生などと会えた。
学会は以前よりも活気があった。1000人以上が参加している。臨床心理士が多いのだと思うが、医師でも精神分析を研鑽して実践している人も多くいた。昨日の最後はベルギーのヴィエルモート先生の講演と北山修(精神分析医)、松木邦裕先生(精神分析医)の討論だったが、かなり刺激的であった。
意識と無意識を、ビオンの理論を引用しつつ、3次元に区分、第1次元(意識)、第2次元(無意識)、第3次元(その奥にある無限)として、分析治療技法まで紹介している。
精神科医や心理士には精神分析に批判的な人はいるのだが、やはり精神分析は、心理学と精神医学の王道だと思う。宇多田ヒカルは9年以上週5回の精神分析を受けている。そして内省し、昇華して作品を作っているようだ。
参考サイト:https://wasedamental.com/youtubemovie/6265/
都内の精神分析医は、自費診療で時間1万円でやっているが、私も最初は自費も考えたが、面倒くさいので(笑)、30分で週に一回、2週に一回、一ヶ月に一回で、患者さんに精神分析的精神療法を保険診療で提供している。それは私のためでもある。専門性を維持しないと錆びつくからだ。
久しぶりに学会に出席したら、いろんな人から声をかけられて、暖かい気持ちになった。なんだか、不登校の自分が、勇気を出して登校したら、友だちに暖かく迎えてもらったような気持ちになれた。さすがの精神分析学会である。
17歳のカルテは境界例の女優が境界例を演じているので、リアルな映画である。こんな境界例病棟で私は30年前に過酷に研修していたが、その経験が今も生きている。
他界した恩師に感謝である。
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