失策行為

無意識が自覚されるのは夢、そして失策行為である。学会であった京都の精神科医(同じ恩師を師匠とする)に謹呈するため、狩野力八郎先生への追悼文を探し出した。

 私は4-5年前から、恩師の死去と私が発がんした年を2014年と思うようになっていたことに気づかされる。しかし、恩師の死去も私の発がんも2015年であった。私は複数の原稿に2014年と何の疑いもなく書いていたので、私の方が正しいと、当時の処方せんやらメールを調べると、2015年であった。ときどき開業年を1年間違う理由もそこにあった。

 何故、このような事が生じたのか・・・・・・。おそらく「5年生存率」が早く欲しかったのだろう。開業は、がん生還3年目だったのだ。

 しかし、私の無意識が、早く時が流れてほしいと1年前に認知を変えてしまった。世に出たものは修正不能。先生やご家族には申し訳なかった。

 本院にくる患者さんは診察室の椅子の後方、窓際にある写真を見たことがあるはずだが、恩師である。

 こうした精神分析に導いてくれたのも恩師である。まあ「あわてんぼうのワタナベらしいよ」とあちらで笑ってくれていると思っている。自己弁護

 6月は学会のシンポジストが3回も入り、浜松と北海道と落ちつかない月だった。7月も一つシンポジウムがあるが、今は少しだけ時間に余裕ができた。久しぶりに小説でも読み、時間があったら書こうと思っている。

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。