雪の日の凹み

 昨日から大雪である。「電話診療つかい処方せんなどを薬局に送くってあげようか」と事務と話していたが、遠くからも患者さんがやってきてくれた。

 ずっと診療やら依頼原稿などで昨日は朝から疲れていたけれど、外来をやっているうちに不思議と元気になっていった。症状がなくなり学校に行けるようになり、高校に二つ受かった子、ADHDの薬が効果が出て仕事が順調になった人など、医者は相手が治癒していくことで、やはり自己肯定感が高まる。これは外科でも内科でも同じだ。

 という日の夜にグーグル評価に★一つの評価が入り、メールで知らせがはいる。「病気を見て患者を見てない、薬は最低量しか出さない」とのことだ。誰だかかわらないし、何年も通っているというが、記憶にないし治療的対応ができない。多くの精神科医はグーグル評価はあまり気にしないとは思っているが・・。

 しかし自分の精神科医アイデンティティの根幹を傷付けられたので、さすがに凹んだ。

 精神科医において問題となるのは「理想化」による自己愛による「うぬぼれ」である。

 私は恩師から自己愛の傷つきに耐えるのが精神科医だと学んでいる。リストカットしてもODしても文句を言っても、患者は見捨てないというスタンスは守っている。つまり病気ではなく人をみるスタンスは私の根幹である。

 昨年末、郵便が届いた。「Googleマップに書き込みされている口コミはご存じですか?、口コミ在中」と大きな文字で書いてある。開けてみると、案の定、「有料で口コミの悪評を消します」であった。

 開業医を相手にしたこうした業者が数年前から存在するようにもなった。うちにも電話が何度か入った。「★1の口コミを消せば、ポイントがあがりますよ」とのことである。

 知人から聞いた噂は、業者が、悪評や★1を捨てメールを使い、バイトや社員につけさせ、評価を下げて、依頼をとることもあるらしい。

 なんだか凹み解消のブログになってしまったけれど、今日も元気に診療やります!

 

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。