大谷翔平さん、ありがとう

 コロナのパンデミック、ロシアによるウクライナ侵略、円安による物価上昇、それに加えてガザによる紛争、政治家の裏金と、暗くなるばかりだが、大谷翔平選手がテレビに映ると、不思議と気持ちがあがる。以前、どこかの精神科医が大谷翔平が患者さんのメンタルに与える影響を伝えていたが、私も実感している。患者さんでなく「私」が自分のメンタルで実感しているのである。

 年末の休みで「大谷翔平特集」を見れるので嬉しい。大谷選手を見れる時代に生きていて良かった。そう思う人は多いと思う。好きなことに打ち込み、ホームランを打ち、三振をとり、皆から愛される「理想化自己対象」なのである。しかも次々と「愛」を与えている。日本の小学校にグローブを送ったり、17番を譲ってくれた選手の奥さんにポルシェを送ったり、かれは「奪う」のではな「与える」人なのである。

 戦争なんかしていないで、スポーツで昇華して勝ち負けを競い、互いを尊重すればいいと思うが、そんな簡単にはいかないのが人間なのだ、しかし、大谷選手はそれを理想的に実践している。

 私達の人格は家族と学校により形成されるが、「良心」という通知表を作ったらよいかと思う。評価は難しいだろうが、良心が「5」なら算数や国語が「1」でも進級に進学である。「良心」の根本は「与える」ことだと思う。親は子どもに、子どもは親に、生徒に、患者に、隣人に、貧困に、飢餓に、敗者に……。人だけでなく、動物、植物、環境も含む。世界中の教育ががそうなれば、少しは未来が開けるとバカなことを考えている。

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。