年末の雑感

 クリスマスの雰囲気になってきた。育った家でクリスマスの思い出と言えば、ケーキを食べたくらいだが、思えば、昔からこの時期になると、金子先生からのクリスマスカードが届いたので、クリスマスは思い出が蘇る。

 学生時代、特別なイベントもしなかったけれど、山下達郎のクリスマスイブだけは流してよく聞いた。あの時代、夕方になると境界例の診断基準にある突然の凹みが自分を襲って酒ばかり飲んでいたが、遠い昔,あの時代の自分を支えていた人達がいたことを今になって思う。クリスマスが近づくと昔の心情に回帰する。

 クリスマスイブのベースにあるカノンの旋律は万人に受ける。それを見事に使って山下達郎は名曲にした。20日までに書かねば行けない岩崎徹也名誉教授の追悼原稿が、全く書けない。父親のように慕っていたから頭が整理されない。思い出すと落ち込んでくる。でも土日でなんとか書き上げるつもりだ。

 書かねばいけない原稿が4つもあるが、勝手にかけるブログだと気楽に書ける。

 人組織を考えることもなく上司も部下もいない。しかし、若い頃は大学にいると「教授」という文字に惹かれる。自分もそうだった。そのために学位をとり多量の論文も書いた。

 開業で学ぶことも多い。子ども達は自分の子どものように将来を築いてほしいと思うし、年輩の方には日本の礎を築いた経緯を感じる。こうした視点は「人間学派」の考え方だが、症状だけみて「人」としての患者を考えない精神科医が少なくなっっことは残念に思う。

 難しい理論などなくても、その人、どういう生き方をして、何に困っているかを知る姿勢は大切だし、患者さんから学ぶことは多い。

 日本の高度成長を支え、子どもはいなくい高齢の患者さんが、持ってきてくれた、普段は手に入らない焼酎を味わっている。ありがとうございます。

 

 

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。