教育

 私の母親は教員だった。私も教師になりたい思ったこともある。

 中高生、学校の先生もクリニックにやってくる。健大の教員時代、教員免許講習の講義を任されて、思春期の心理など語っていたこともある。そして、必ず最後にYouTubeで拾ってきた動画を流していた。

 私は玉村小学校を卒業しているが、背景はいろいろ想像できるが、玉小では、君が代なし、校歌なしだった。今や、全国でも有名になった「上毛カルタ」も知らない。私は群馬県民なのに上毛カルタは知らないのである。ま、今となればどうでもいいのだが、大学に入り同郷人と話していても上毛カルタの話題には乗れなかった。

 私の小中の教員は同一化の対象になるような先生はいなかった。

 しかし、幼稚園時代、場面緘黙の私をずっと影で支えてくれたK先生がいる。小学校から中学3年までクリスマスカードが届いていた。高校合格した日に電話がきた。あの時代、群馬は高校合格者が上毛新聞に全て掲載されたからだ。

 成長を見守ることの意味は私の臨床に生きている。不登校の子が大学に入る、引きこもりだった青年が美容師を目指す・・それだけで励みになる。

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。