ポジティブ心理学

 学会で岐阜に来ているが、教育講演は「笑いと遺伝子」という内容で面白かった。ポジティブ心理学はペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授により理論化されました。

 ポジティブ心理学では人間の幸福感(ウェルビーイング)を5つの側面で考える。①ポジティブ感情(Positive Emotion)②没頭(Engagement)③豊かな人間関係 (Relationship)④人生における意義(Meaning)⑤達成感(Accomplishment)である。これまでの心理学や精神医学ではマイナスをOに戻すということに焦点をあてていたが、そうではなく私達の感情、思考、行動のポジティブな面を研究する学問である。

 今回の講演では具体的にどう見つけるかを述べていた。ものすごく単純化して述べると、「感謝」を探すことだという。何でもよいのだという。ゴミが落ちていない綺麗な道路を見たら、そこを掃除している方に感謝、学会場をつくってくれたことに感謝・・感情をさがすより「感謝」を探すのだという。

ポジティブ感情には、「遊び」が重要で、ネズミでも猫でも犬でも、じゃれ合うとポジティブ感情が出て、健康、免疫、記憶などにも影響するという。また、落語で笑うと免疫が改善する。大谷翔平さんも、ベンチでじゃれてるもんな。

 悲観より楽観、後ろ向きより前向き・・であるが、うつ病や強い不安があるときにはなかかなポジティブ感情は出ない。

藤村邦と渡辺俊之のブログ

精神科医をやりつつ小説や新聞のコラムを書く藤村邦(渡辺俊之)のブログです。